書籍・論文

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イワン・クラステフ著(庄司克宏監訳) 『アフター・ヨーロッパ―ポピュリズムという妖怪にどう向き合うか』岩波書店(2018年8月4日)

内容
欧州大陸はグローバルな政治の中心ではなくなった.難民・移民危機はどのように欧州社会を変化させたか.有権者の「能力主義的エリート」への反乱はなぜ起こっているのか.EU諸国のリベラル・デモクラシー体制が,ポピュリズムの台頭で内部的危機に直面する現在,その原因を解き明かし,どのように対応すべきかを論じる.

目次
はじめに 既視感としてのハプスブルク帝国――EUの危機的状況
 ハプスブルク帝国の分裂/欧州分裂の理論の欠如/EUの前提の変化/「ガラパゴス化」するEU?/アフター・ヨーロッパ/本書の目的
第1章 われわれ欧州人
 移民(難民)危機――あるいは?歴史はなぜ終わらなかったのか/主張と投票の移動/危機と左派/人権と危機/寛容に対する反乱/移民による分断あるいは連帯の衝突?/東欧の同情の欠如
第2章 かれら人民
 ポピュリズムという妖怪/中欧のパラドクス/西欧のパラドクス/ブリュッセルのパラドクス/国民投票によってもたらされる破壊/勇者たち/卑劣な者たち/醜い者たち
おわりに ハプスブルク帝国の再現?――欧州の脆弱性と復元力について
 当然の世界としてのEU/新たな希望
謝 辞
監訳者あとがき
原 注

著者略歴
イワン・クラステフ(Ivan Krastev)
1965年生.ブルガリア出身.ソフィア大学卒.政治学(政治理論,中東欧政治).ソフィアの「リベラル戦略センター」(the Centre for Liberal Strategies)理事長,ウィーンの「人間科学研究所」(Institut fur die Wissenschaften vomMenschen)常任フェロー.著書にDemocracy Disrupted:The Politics of Global Protest(University of Pennsylvania Press)ほか.自ら編集委員を務めるJournal of Democra-cy 誌等で多数の論文を発表.

庄司克宏『欧州ポピュリズム』(ちくま新書)2018年5月8日発売

内容
欧州連合(EU)が、ポピュリズム危機に揺れている。反移民の声は衰えず、ポピュリズム政党への支持は増え続けている。中東欧では政権を担う党すら現れた。いまや、欧州の政治は左右対立ではなく、親EUの既成政党と反EUのポピュリスト政党という対立軸で動いているのだ。ポピュリズムの台頭を招いた要因はなにか。EUの基本理念であるリベラリズムは守られるのか。・サの統治機構や政策から分析する。

はじめに 欧州ポピュリズムの衝撃
第1章 欧州ポピュリズムとは何か
第2章 EUとはどのような存在なのか
第3章 欧州ポピュリズムはなぜ出現したのか
第4章 欧州ポピュリズムはEUに何をもたらすのか
第5章 リベラルEUのゆくえ―どう対応するのか

庄司克宏『欧州の危機― Brexitショック』(東洋経済新報社)2016年9月29日発売

内容
イギリスの離脱、ギリシャの巨額債務、押し寄せる難民・・・EUの3大問題はどう解決されるのか? およそ30カ国へと広がった加盟国の間では、考え方や経済的な能力の違いもめだつ。 EUは統合の形を変えざるを得ない。「アラカルト欧州」、「2速度式欧州」などの方式をはじめ、新たな統合の形が模索されている。 それは国際政治やグローバル投資家、欧州関連企業に、どのような波紋を広げていくのか。 EU研究の第一人者が、不安定化する欧州を展望する。

目次
序章 欧州の危機の諸相
第1章 欧州統合の方程式とその限界
第2章 統合方程式の修正形――アラカルト欧州と2速度式欧州
第3章 通貨ユーロと2速度式欧州
第4章 イギリス離脱問題とアラカルト欧州
第5章 イギリス離脱後の欧州統合
あとがき
参考文献

庄司克宏『新EU法基礎篇』(岩波書店)2013年

「EU法最先端のロジックと仕組みが体系的に理解できる」
(『EU法基礎編』を10年ぶりに全面改訂増補)
過去の流血の歴史を反省し、不戦共同体を創り出した欧州は、法の支配に基づいて、交渉と説得による合意があってはじめて前進できる。合意に時間がかかるのは承知のうえである。30人近い数の首脳や大臣が日常的に顔を合わせ、食事をともにし、ときには口げんかをしながら、最後には妥協するという術を心得ている。このEUというインフラを支えているのがEU法なのである
−「はしがき」より



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